【完】狂犬は欲望中毒。






「おい小羽。ちょっと来い」


「……?」


軽く手を引っ張ってマンションの死角に小羽を隠す。


ここなら誰にも見られねーな。


ジッと小羽を見つめる。

今から何をするのか分かっていない小羽が、軽く首を傾げるからそれすらも可愛いと思っちまう。


俺の中の何かがプツンと切れた。



「小羽、声出すなよ」


「へっ……、っ!?んっ!!」



どういう表情をしているかは分からない。


ただ、したくなったキスに欲望を預けて。


小羽の唇を食らう。




「……っ、さ、わ」


「声出すな。……ここは外だ、俺以外がお前のそんな甘い声を聞いていいはずがないだろ?」


「だっ、だったらこんなところでしないでよ!」


「お前見て我慢できたら、それは俺じゃねーだろ」


「それ偉そうに言うこと!?」


「もう黙れ。……いい加減こっちに集中しろ」


「……っ」




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