【完】狂犬は欲望中毒。
キスに慣れていないコイツが、息の仕方を忘れて苦しくなる姿は。
まるで俺に溺れているみたいで悪くない。
それに、男女の雰囲気作りの為に唇を合わせるだけの行為だと思っていたが
好きな女とするのは悪くねぇな。
それどころか、やみつきになっちまいそうだ。
薄ら開けた瞼から、ポーッとしている表情が見え、そろそろ小羽の限界が近いことを知る。
まだ足りないが、小羽から離れる。
小羽は肩で息をし始めて、体の力が抜けたのか
俺の胸に倒れてきた。
「さ、左和季くん。……もうちょっと手加減を」
「手加減……?足りねぇくらいだろ」
「てか!するならするって言ってって何回言えば」
「した」
「それ終わった後の話だよね!?」
「ギャーギャーうるせえな。お前が可愛いのが悪いんじゃねーか」
「……っ、それ言われると何も言えなくなっちゃうじゃん!左和季くんのバカ」