【完】狂犬は欲望中毒。
褒められると弱い小羽は、俺が何か言う度すぐに顔を真っ赤にさせる。
こんな時間にこいつに会うべきじゃなかったか。
まだ少しオレンジがかかった空に、惑わされてしまいそうだ。
暗いよりも、薄暗い方が小羽を見てると喉が鳴る。
「帰る」
「えっ、もう?……夕飯食べていかなくていいの?」
「いや、いい。」
本当はまだ一緒に居たいのが本音だが。
その本音も乙女的思考ではなく、俺がコイツに手出してしまいそうだから。
大事にするが遠慮はしないつもりだが。
遠慮はしないが大事にだってする。
先に惚れた方が負けだな。
大事すぎて、手の出し方がよく分からない。