【完】狂犬は欲望中毒。
思えば思うほど、どこに触れていいのか分からず
小羽の頬を両手で挟んだ。
軽く唇を突き出す小羽に、「フッ」と笑いが溢れる。
「……しゃわきくん、なにしゅるの」
「いや、触れたかっただけ。
小羽」
「どうしたの?」
「明日の夜明けとけよ。」
「明日?日曜日もなんて、珍しいね。」
「そういやお前の部屋ばっかりで、ろくにデートも連れていってなかったからな。」
「で、でぇと!?」
少し訛った言い方で、見るからに喜びを表情に表せる小羽。
小羽の周りに花びらが飛び交ってる様に見える。
そこまでデート行きたかったのかよ。
全然気づかなかった。
言えばすぐに連れてってやったのに。