【完】狂犬は欲望中毒。
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次の日。
予定通り昨日と同じ時間に小羽の住んでいるマンションに着くと。
既に小羽は下で待っていた。
「ほら」
バイクを小羽の隣に停めて、跨がったまま小羽ように持ってきたヘルメットを渡す。
軽く手を引っ張り、体を支えてバイクの後ろに乗せると。
早速アスファルトの上を走り出す。
「左和季君、どこ行くの?」
「内緒だ」
「……」
後ろから、小羽の不安そうな気配が感じ取れるが
行ってからのお楽しみだ。
正直な話、今まで俺に近寄ってくる女は適当にあしらっていたが。
小羽は違う。
小羽には自分から何かしてあげたいって思う。
誰かのために何かするなんて面倒なことだと思ってたけど。
こいつの喜ぶ姿を見れるのは悪くない。
むしろ俺の方が得した気持ちになる。