【完】狂犬は欲望中毒。
「お疲れ様です!お先に失礼します」
軽くお辞儀をして、バイト仲間に挨拶をしコンビニから出る。
秋が通過していきそうな季節。
冬にしては少し暑いけど、コンビニは冷房が利いているせいか外は生温くて、外と中の温度差に風邪を引いてしまいそうだ。
「……っ、さわきくん!!」
駐車場で、左和季君がバイクに凭れながら携帯を弄っている姿が目に入る。
すぐに彼に駆け寄ると、軽く頭を撫でられた。
「お疲れ。お前の髪少し冷たいな。」
「うん、コンビニ冷房ついてるから。
それより左和季君、迎えにきてくれたんだ!
……嬉しいけど、夜だし無理しないでね?」
「お前がひとりで帰る方がよっぽど心配なんだよ。
バイトの日は俺に連絡しろ。
あと不審者の襲われそうになったら俺を呼べ。
すぐに息の根をとめてやる。」
「……左和季君物騒だよ。
それに私を襲う物好きなんて……」