【完】狂犬は欲望中毒。
恋人の関係って、時々もどかしく感じるときがある。
手を伸ばせば伸ばすほど、相手に我慢させなきゃいけないなんて。
好きなのに、それだけじゃ駄目みたい。
「……ねぇ左和季君。その集会、私も行っちゃ駄目?」
倒れないよう停めてある、自転車のスタンドを下げたままブレーキ部分を握りながら聞いてみた。
左和季君は少し驚いた顔で私を見ている。
「集会にはたまに自分の女連れくる奴もいれば、勧誘のために友人連れてきたりするが、そもそもお前族に興味なんかないだろ。」
「……でも、女の子いるんだよね?」
「そんなに不安がる事か?」
「だ、だって左和季君かっこいいし!」