【完】狂犬は欲望中毒。







「さ、左和季君って私より年下なんだよね……?」


「……?なに、お前俺と同い年だっけか?」


「ち、違うけど!
 なんか見た目が大人っぽいっていうか、色気出てるっていうか、時々自分の方が年上だってこと忘れちゃう」


「……へぇ」



なぜか不敵な笑みを浮かべる左和季君。


この顔をする時の左和季君は、ろくでもない事しか考えてない。



「お前そんなに色気出したいわけ?」


「え」


「出させてやろうか?
 まあ、色気を出したいなら俺の手が必要だけど」


「……」


「試してみるか?」


「……っ、変態!!」



近づいてくる左和季君の胸板を押して、距離を取る。


こんな大勢の前でも、左和季君は左和季君だった。


これだけ人がいて、皆自分の事に夢中だから、今の会話聞かれてないとは思うけど。



それでも恥ずかしいもんは恥ずかしいよ、左和季君のバカ!!




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