【完】狂犬は欲望中毒。
「おい、そんな怒んなよ」
「左和季君のバカ、変態、イケメン」
「最後褒めてんじゃねーか」
子供みたいにそっぽ向きながら、左和季君から離れる。
けど左和季君はクスクスと笑いながらついてくる。
もう、完全に私子供扱いされてるじゃんか。
これじゃあどっちが年上か分かんないよ。
「おい小羽」
「……」
「無視すんな、止まれ」
手首を掴まれ、後ろに引っ張られたせいで
真っ正面を向いたまま自分の意思とは関係なしに左和季君の胸板に凭れてしまう。
「あんまり蛇狼から離れんな。
こっから先は別のチームが集まってんだから、むやみやたらに集団に突っ込むな」
「あっ、ごめ」
「それに俺から離れんなって言ったろ。
次約束破ってみろ、お前本当に仕置き決定だからな」
「……っ」
お仕置きなんて、ほんと何されるか分かったもんじゃない。
大人しくと左和季君の側に戻ると。
「よし」と頭を撫でられた。
それが嬉しいだなんて、私もどうかしてる。