【完】狂犬は欲望中毒。







掻き分ける様に蛇狼の集団の中に戻ると、松茂さんと目が合う。


「よう小羽ちゃん、左和季から聞いてはいたけど、本当に来てたんだな」


「はい」


「でも小羽ちゃんこういう場所正直苦手だろ?
 なんで来たんだ??」


「それは……」



言えない。


女の人が来るって聞いて、不安だったからなんて。



重い女だって思われちゃう。


ていうかこれじゃあ私、左和季君のこと信用してないみたいじゃん。



……違う。


左和季君が私のこと大切にしてるって分かってはいるけど
他の子に左和季君取られたくないから、左和季君は私のだよって言いたいだけ。



やっぱこれって重いのかな……。



「……うーん」


「あれ、小羽ちゃん考えこんじまったけど。
 もしかして俺、聞いちゃいけないこと聞いたか?
 ごめん小羽ちゃんやっぱ今のなし。聞かなかったことにしてくれ」






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