【完】狂犬は欲望中毒。
左和季君が私の唇を親指でなぞる。
皆が雪紅の人達に夢中で見てないのをいいことに、左和季君は私に向かって唇を落とした。
「んっ……」
「……っ」
左和季君のキスって、すればするほど甘くなっていくみたい。
クセになっちゃう。
意識だって飛んでいっちゃいそうなほど、優しいのにどこか激しいキスは私の心臓の音を壊れてしまいそうなくらい大きく高鳴らせる。
「……っ、とまんねぇな。何回しても飽きねぇわお前とのキス」
「……はぁ、左和季君こんなところでしちゃ駄目だよ」
「その割には気持ち良さそうな顔してるくせに、今更いい子ぶったって駄目だろ。
お前も好きなくせに、俺とこうすんの」
言い返せないのが悔しい。
好きだよ、左和季君のこと。
手を繋ぐのも、抱きしめるのも、キスだって。
左和季君とじゃなきゃ嫌だし。
左和季君じゃなきゃ満たされないよ。