【完】狂犬は欲望中毒。
ノリに合わせて出された手にハイタッチしちゃう私も私だ。
なんだろう。
強引でとても初対面には思えないくらいノリが軽くて俺様なのに。
悪い人には見えないんだよな……五月女さんって。
傷だらけのくせに。
「……五月女さんは、なんでマンションの前で倒れてたんですか?」
「下の名前で呼べよ、小羽の方が年上だろーが」
「……あの、私年上なんですけど」
「だから言ってんじゃねーか。」
「なんで呼び捨てなの……普通そこは『さん』でしょ」
「つべこべ言うなよ、お前と俺の仲だろ?」
「どういう仲なんですか私たち」
「俺の口から言わせる気か、欲張りだな」
わざとらしく照れ始める五月女さん。
近距離で手元にある枕を投げてみたけど効果なし、そのままスルーされ会話は続く。