【完】狂犬は欲望中毒。







ノリに合わせて出された手にハイタッチしちゃう私も私だ。



なんだろう。


強引でとても初対面には思えないくらいノリが軽くて俺様なのに。


悪い人には見えないんだよな……五月女さんって。



傷だらけのくせに。




「……五月女さんは、なんでマンションの前で倒れてたんですか?」



「下の名前で呼べよ、小羽の方が年上だろーが」


「……あの、私年上なんですけど」



「だから言ってんじゃねーか。」



「なんで呼び捨てなの……普通そこは『さん』でしょ」



「つべこべ言うなよ、お前と俺の仲だろ?」



「どういう仲なんですか私たち」



「俺の口から言わせる気か、欲張りだな」




わざとらしく照れ始める五月女さん。


近距離で手元にある枕を投げてみたけど効果なし、そのままスルーされ会話は続く。




< 18 / 277 >

この作品をシェア

pagetop