【完】狂犬は欲望中毒。
「なに分かりやすい挑発に耳傾けてんだよ。
ちゃんと大事にしてるに決まってんだろ。」
「……さわきくん」
「俺はお前が『行きたい』って言うなら、どこへでも連れていくし、自由を制限するつもりはねぇよ。」
「……」
「不自由は俺も嫌いだからな、とことん甘やかしてやる。何かあっても俺が側にいればいいだけの話」
「……」
「……まあでも、さすがに他の男に目移りなんてことは許さないぜ?
そんなのしている暇があったら、お前も俺を甘やかせ」
「目移りなんてするわけないよ」
「当たり前、お前は俺だけ見てろ。それ以外は必要ない」
左和季君の独占欲は、私を自由にしてくれる。
大事にされてるって、ちゃんと分かってる。
分かってるからこそ、その独占欲も嫌じゃないし。
その独占欲に甘やかされることだって本望だ。