【完】狂犬は欲望中毒。





「なに分かりやすい挑発に耳傾けてんだよ。
 ちゃんと大事にしてるに決まってんだろ。」


「……さわきくん」


「俺はお前が『行きたい』って言うなら、どこへでも連れていくし、自由を制限するつもりはねぇよ。」


「……」


「不自由は俺も嫌いだからな、とことん甘やかしてやる。何かあっても俺が側にいればいいだけの話」


「……」


「……まあでも、さすがに他の男に目移りなんてことは許さないぜ?
 そんなのしている暇があったら、お前も俺を甘やかせ」


「目移りなんてするわけないよ」


「当たり前、お前は俺だけ見てろ。それ以外は必要ない」



左和季君の独占欲は、私を自由にしてくれる。



大事にされてるって、ちゃんと分かってる。


分かってるからこそ、その独占欲も嫌じゃないし。



その独占欲に甘やかされることだって本望だ。






< 182 / 277 >

この作品をシェア

pagetop