【完】狂犬は欲望中毒。
「とことん彼女に甘いのね。」
「まあな。」
恥ずかしげもなく、平然と言ってのける左和季君は苦しいくらいに私を抱きしめる。
「い、痛いよ左和季くん」
「俺の愛は重いんだよ、黙って受け止めろ」
「さっき自由とか何とか言ってたくせに……!」
「それとこれとは別だ」
まるで蛇に締めつけられているみたい。
全然私を離そうとしない左和季君に、諦めて皆の視線も気にせず抱き締められたままでいいやとさえ思えてきた。
「まあいいわ。今日はこの辺で。
瞑静を潰した五月女君と蛇狼に興味があって集会来てみたけど、来てよかったわ。
ますます気に入っちゃった、五月女君のこと」
「俺はお前に興味ない。
つか、どう見てもお前に入り込む隙なんかねーんだから、さっさとあっち行ったらどうだ」
「ふふっ、今日のところはそうするわ。
またね、五月女君」