【完】狂犬は欲望中毒。
「族狩り?」
集会から1週間が経つ。
美喜矢とドライブの途中、一息つこうと夜の港でバイクを停める。
潮風を浴びながら、さっき立ち寄ったコンビニで買ったコーヒーを飲みながら。
映し出した月の光が揺れる海面を見ていると。
美喜矢が口を開く。
「そっ、最近物騒らしいよ。蛇狼からは今のところ誰も怪我人でてないみたいだけど。」
「どこ情報だ、それ」
「他のチームが話してるとこたまたま聞いた。
相手の正体は分からないけど、複数いるみたい。 不良なのか、それとも正義のヒーロー気取りで族狩りなんかしているのか分からないけど、一応左和季も気をつけたら?」
「そんなん返り討ちだろ」
「言うと思った。」
「自分の身は自分で守らねーとな。」
「……」
「何か言いたげだな、美喜矢」
「いや……」