【完】狂犬は欲望中毒。
「名前で呼ばねーと小羽の部屋に住み着いてやる」
「なんて横暴な……!」
自慢じゃないけど、クラスメートの男子にだって名字呼びが多いんだからね!
小学生の頃から一緒の人は名前呼びだけど。
「さ、左和季……くん?」
「『君』付けか」
「だっ、だってさー!なんか恥ずかしいし」
「いや、いいそれで。年上の女が同い年っぽく見えてなんか萌えんだろ」
「……萌え……意味分からないです」
「男にしかわかんねーだろうな」
気まぐれな彼は笑いながら私から離れ、体勢を整えると、床に長い足をつけたままベッドに座り
学生服から未成年らしからぬタバコの箱を取り出した。
「~~っ!?」
声にならない悲鳴をあげる。