【完】狂犬は欲望中毒。
美喜矢も何だかんだ言いながら、小羽のことを気にかけてくれるのは嬉しいが。
お互い柄じゃないせいかこのむず痒い空気を壊そうと、ついついからかってしまう。
最後に港の夜景を目に焼き付けて、伸びをした後バイクに跨がる。
「そろそろ帰るか」
「そうだね。」
ハンドルを握って走り出す。
バイクが大通りに出てしばらくすると。
美喜矢も気づいてはいると思うが
さっきから不審なバイクが俺達の後をついてきている。
……早速、美喜矢が言っていた族狩りのお出ましか?
気づけば次第にバイクの数も多くなってきてやがる。
「完全に狙われてるな。」
めんどくさいが、誘き寄せるためにわざと小道に入る。
真っ直ぐ進んだところにある、古すぎて使われていない遊具のある公園でバイクを停めると。
数秒の差で美喜矢が隣にバイクを停めた。