【完】狂犬は欲望中毒。
「ねぇ、さっきよりも増えてきてない?」
「面白くなってきたな。」
「なんも面白くないんだけど、こんな奴ら相手にしても」
「だったら、どっちが多く狩れるか勝負するか」
「は?」
「族狩りを逆に狩るとか面白そうだろ?
……絶対逃がすなよ、あとひとりくらいは意識がある状態にしとけよ。蛇狼のコンテナで事情聴取といこうぜ」
「なんで楽しそうなの、こんなめんどくさいこと。」
お互い遠慮なしなら、我慢とか必要ないからな。
どいつに狙いを定めようか。
いつの間にか上がっている口角を隠すように、拳を握った瞬間。
「……っ」
急に視界が光で包まれ、思わず目を細める。
うるさいエンジン音が鳴り響く。
すると、目の前にいる男達が急に慌て始め、焦る様にこの場から去っていく。
なぜ族狩りなんかしているのか気にはなるが
追ってまで必死になるほどの相手じゃない。
つか、そんなことよりも。