【完】狂犬は欲望中毒。
「た、たばこ!?」
「んー?」
「『んー?』じゃなくて……っ!!
駄目だよタバコなんて!!」
「この部屋禁煙?」
「それよりも未成年がタバコなんて吸っちゃいけません!」
勢いよくタバコの箱を取り上げると、左和季君が笑う。
「今の年上っぽいな」
「……年上なの、一個上なの、本当はもっと敬われるべきなの」
「そうかい」
「……」
この人絶対私のこと敬う気ゼロでしょ。
まあ別にいいけど。
これ以上余計なことを言わせないようジッと左和季君を睨み付けると
彼は涼しい顔で立ち上がる。
「ごちそうさん」
そう一言だけ口にして、胃を満たしたチャーハンが見事に空になっている食器をキッチンに片付けると。
水につけてから、そのまま玄関で靴を履き始める。