【完】狂犬は欲望中毒。
学校が違うせいで毎日会えないから、毎週土曜日のお昼は決まって左和季君が会いに来てくれる。
そのせいで寂しい思いとかは全然してないんだけど……。
カレンダーの数字の色は青で、今日も左和季君が私の部屋に来てくれた。
いつも通りの土曜日……だった、はずなのに。
「族狩り!?」
「あぁ、最近流行ってんだとよ」
「流行ってるって……そんな他人事みたいに。
大丈夫?怪我してない??」
「見ての通り元気だが……なんなら触って確かめてみるか?」
「……それは遠慮しておくね」
こんな危ない時に、左和季君がいつも通りなのが不安だよ。
左和季君が危ない目に合うのだけは絶対に嫌だ。
飲もうとして触れた、水の入ったコップが隠せない不安で上手く掴めない。