【完】狂犬は欲望中毒。
軽く頬にキスを落とす左和季君。
静かな部屋で、近すぎる距離に鳴りっぱなしの心臓の音は、どうやら私の体内から飛び出しちゃったみたい。
「すげぇな、心臓の音ずっと鳴ってんじゃん」
「き……聞こえてるの??やだ……恥ずかしいから聞かないでくれると嬉しい」
「いいじゃねーか。お前の音もっと聞かせろよ」
「……っ」
押し倒した体をきつく抱き締めてくる左和季君。
好きすぎて、こうして触れあっているだけで
ドキドキしすぎて壊れちゃいそうだ。
「……お前が望むなら、ずっと我慢してやる」
「……」
「俺をもっと縛れよ小羽」
「縛るって……そんな」
「お前だけの俺だ。小羽が好きでいてくれるなら何だってしてやるよ」
「それじゃあご主人様と犬みたいじゃん私たち」
「いいぜ?俺は犬でも。
その代わり、ちゃんと責任もって最後まで可愛がれよ」