【完】狂犬は欲望中毒。
私の耳に髪をかけて、こんどは唇にキスを落とす。
キスしている時だけは
左和季君のこと以外考えられなくなっちゃうから、その瞬間が好き。
「さ、わき君……好き」
「この状況で煽るとか、ほんと欲張りだな。
まあいい。
欲しいなら、俺の首に腕回せ」
男らしい低い声に従って、腕を回してみたけど。
結局、雰囲気ぜんぶ左和季君に主導権を握られてしまって。
甘さに身を委ねた結果、目を瞑った後の記憶が曖昧になってしまった。