【完】狂犬は欲望中毒。
心なしか、美喜矢の方もうんざりしている様に見える。
重いため息を吐いて、美喜矢が口を開く。
「族狩りの正体は、瞑静の奴らで間違いないね。」
「は?」
「違った、元瞑静の奴らって言った方がいいか。
チームを潰された腹いせかは分からないけど、無差別に色んなチームを襲ってるらしいよ」
「……」
呆れた。
そもそも瞑静の奴らは今まで好き勝手やってたから、いつ誰に潰されても文句が言えた立場じゃなかったはずだ。
終わってもまだ暴るとか……どんだけだよ。
「瞑静ってことは……小羽も危ねーな。
あいつ一回狙われてるし」
「そうだね。だからこんな夜遅くに左和季を呼び出したの。
知って早々言わなかったら怒りそうだったし。
それなのに誰かさん、僕を待たせるし」
「悪かったって。」