【完】狂犬は欲望中毒。
敵が突っかかってくるなら、その時遠慮なくいかせてもらおうと思ったが。
小羽が絡むなら話は別だ。
「つか、どうりであのパーカー集団どっかで見たことあると思ったんだよ」
「まあ瞑静の奴らは暴走族の中でもしつこさNo.1だったしね。
目をつけ手を出した左和季が悪い」
「俺がやらなくても、いずれ他の奴らが瞑静には手を出してただろ。
たまたま俺だっただけだ。」
それこそ蛇狼にちょっかいさえかけなければ、俺だってあんな奴ら構わなかった。
自分らで蒔いた種だ。
今度こそ自分らで刈ってもらわなきゃな。
「僕、今日はここに泊まるけど左和季は?」
「ただでさえ狭いコンテナで男ふたり寝れるわけねーじゃん。帰る」
「まあね。おやすみ」
ひらひらと手を振る美喜矢を尻目に、コンテナから出る。