【完】狂犬は欲望中毒。
鞄を肩に掛け、立ち上がりイスを戻してから教室から出ようとした時。
ーーガラッと教室のドアが開く。
なにやら慌てた様子の先生と目があった。
「乙川、まだ残ってたのか」
「あっ、はい!先生慌ててどうしたんですか?」
「当番の吉川が教室のゴミ出ししてなくてな……先生今日予定があるからいつもより早めに帰らないといけないんだ。
悪い乙川、帰るついでに捨ててきてくれないか?」
「……はーい」
「ごめんな~」
タイミング最悪だ。
先生はホッとしたのも束の間、慌てて職員室へと向かった。
まあでも、ゴミ捨てに行くぐらいいっか。
左和季くん待たせちゃ悪いし早く行かなきゃ。
ゴミ箱から今にもゴミが溢れだしそうな袋を取り出し、しっかりと縛ってから教室を後にする。