【完】狂犬は欲望中毒。
バタン!と、慌ただしく開け閉めされたドアから口うるさい奴が入ってきた。
「さ~わ~き~!!お前またひとりで行動したらしいな!」
「よう松茂さん。」
「"よう"じゃねーよ!なに呑気に挨拶してんだテメェ!!
ひとりで瞑静とやり合うなんてバカか!
もしもの事があったらどうすんだ!!」
「特攻隊長ですからね」
「ひとりで突っ走るための役割じゃねーだろ」
「無駄な戦力使わずに済んでよかったじゃないですか。」
「……くそ生意気。相手何人だと思ってやがるんだ。
いくらお前が強かろうが数には勝てない時があんだよ。今回は運が良かっただけだ。
……勝手な行動ばっかしてっと、そのうち総長から怒られんぞ」
「肝に銘じときますよ」
ゲシゲシと肘で俺の肩をつついてくるこの人は、九重松茂さん。
蛇狼の幹部のひとり。
年は……小羽と同じ高2だったか。