【完】狂犬は欲望中毒。
左和季君が弱ってる……。
こういう時にこんなことを思うのは不謹慎だけど。
ちょっと可愛いと思ってしまった。
いつも強気な左和季君がこんな風になるなんて
それもぜんぶ私を心配してくれてってことだよね。
どうしよう。
愛おしすぎて胸が痛いよ。
「ねぇ、そこのバカップル。
いい加減ふたりの世界に入るのやめてくんない?」
「「ーーッ!?」」
いつの間にか目の前に美喜矢君がいたことに、左和季君とふたりで驚く。
「雪紅も元瞑静の奴ら全員確保しといたから。
元瞑静は族狩りの件もあるから、蛇狼が預かるのか他のチームの奴らが預かるのか、今話し合いの途中。
まぁ、うちの総長面倒事は嫌いだからどっかのチームに引き渡すと思うけど。」
「その方がいいな、瞑静は調子に乗りすぎだ。
これで懲りればいいけどな。」
「まあ、どうなるか分かんないけど。
それよりも雪紅どうする?」
「あー……」