【完】狂犬は欲望中毒。
自分から誘うなんて、ちょっとだけ恥ずかしいけど。
今は左和季君に側にいてほしいことを素直に伝えた。
すると。
「わぁ!?」
左和季君は車の中で私を抱きかかえると、車から降りる。
そして、コンコンも車の窓を軽く叩くと、それが合図かの様に車が走り去って行った。
「さ、左和季くん……人に見られ……」
「ない。……つか、お前体に力入らねーだろ」
「今は……立てるよ?」
「そこは嘘でも黙って甘えてろ」
絶対に私を離そうとしない左和季君は、部屋に来ても同じで。
鍵を開けるときも、部屋に上がるのも、全部左和季君が私を抱えたまましてくれた。