【完】狂犬は欲望中毒。
すぐに視界に入ったベッドに、私を押し倒すと。
左和季君が全体重を預ける様に私を抱き締める。
「さ、さわきくん?ねぇ、重いよ」
「……」
「……左和季くん?」
返事がない。
どうしたんだろう。
不思議に思って彼の前髪を触ると、左和季君は心配そうに私を見ていた。
「……頼むから、俺の側から離れんなよ」
「……っ」
「……俺のせいだって分かってんのに、お前が居なくなることがムカつく。
つーか、怖いのかもな」
「……怖い?」
「あぁ、俺の視界にお前が居ないことが不安で仕方ねぇ。
ほんと、無事でよかった……小羽無しじゃもう無理、歩く気すら起きない。
お前俺の学校に転入手続きしろ」
「……そんな無茶な」