【完】狂犬は欲望中毒。
怪我している手で、私の手首を掴む左和季君がキスしてきた。
「んっ……さわ、きくん、駄目……手当てしなきゃ」
「いらねーって。……っ」
その唇に、簡単に黙らせられるのはもう何度目だろう。
甘い刺激が身体中を駆け巡る。
左和季君とのキスは好き。
愛おしいって気持ちだけが頭を支配するから。
それでも。
「さわきくん……っ、傷の手当て」
「もう一回だけしたら大人しく言うこと聞いてやるよ」
「……っ」
また押し付けられた唇。
もう一回だけって言ったくせに。
その後左和季君が止まることはなくて、結局彼が満足するまでしてしまった。