【完】狂犬は欲望中毒。
「も、もう左和季君!傷の手当ての方が先でしょ」
「の割には、お前も感じてたじゃん」
「……」
「……っ、おい今わざと傷触っただろ?」
「左和季君が変なこと言うからじゃん」
キスの後はお互い無言になるから恥ずかしくて。
慌てて救急箱を取り出すあからさまな私に、左和季君はクスクスと笑っていた。
傷の手当てを終えて、一息つくと。
左和季君がジッと手当てされた場所を見る。
「……?どうしたの??」
「いや、初めて会った時もこうして手当てしてくれたよな小羽」
「なんだかあの時が懐かしく感じるね~」
「あぁ、手当てとか上手いこと言ってお前に襲われそうになって……」
「それ絶対記憶違いじゃん!」
「冗談だろ」