【完】狂犬は欲望中毒。
左和季君が私に甘いように、私も左和季君に甘いみたい。
なんだかんだ言う通りになってしまう。
でも……そんな関係も悪くないって思っちゃう。
だって相手が左和季君だから拒んだところで、最後に欲しくなっちゃうのはどうせ私の方からなんだろうな~。
「小羽」
「どうしたの?」
「好きだ」
「……っ、だからいつも急すぎるよ左和季くん」
「言いたい時に言うのが俺じゃん」
「左和季様降臨」
拾った彼の胸の中は、いつしか私の居場所になっていた。
目を閉じて、覚めてを繰り返して。
その時隣にいてくれるのが 君なら
これ以上の幸せはないと思う。
もうお互いじゃないと満足できないね。
「あっ……見て左和季くん!」
空から雪が降ってきた。
さっきとは違って、一瞬の熱だけを感じとれるように、左和季君が軽くキスをしてくる。
「冷た」
「……左和季君こそ」
「でも、悪くねぇな」
「うん、好き」
「ん?」
「私も左和季君のこと好きだよ」
「……っ、急に言うな」
「さっきの仕返しだよ~」