【完】狂犬は欲望中毒。
しばらくして、小羽が住むマンションが見えてきた。
女の一人暮らしもあってかセキュリティはいい方だ。
正直ホッとする。
あの日、瞑静の奴らとやり合って
さすがに力尽きたところを小羽に助けられた。
俺を助けたところを、敵の誰かに見られでもしたら
俺の女と間違われて狙われるんじゃないかって不安もあってか、ここ三日間会いにいかなかったが。
もう我慢の限界だ。
我慢なんて柄じゃねーしな。
つか。
だからと言って小羽ごと逃がす気なんて更々ねーけど。
念のため、マンションから離れたところにバイクを停める。
マンション内には流石に入れないから小羽が出てくるまで、この俺が有難いことに気長くして待ってやろうと思ったのに。
日頃の行いがいいからか?
どうやら神様って奴は俺のことが好きらしい。
前方から買い物袋を手にさげた小羽と目が合う。
俺を見て分かりやすく『げっ』と嫌そうな顔をするアイツ。
おいおい、今まで女にそんな顔されたことねーぞ。