【完】狂犬は欲望中毒。
✕
翌朝。
珍しく鳴った電話の音で目を覚ます。
ベッドから出ずに身を縮ませながら、眠気眼のまま電話に出たのが大間違い。
「んー……はい?」
『まだ寝てたのか?おそよう、ってやつだな。』
「……おそよう?」
『電話越しに俺の耳元で可愛い声出しやがって。』
「………え?」
目を擦り、携帯画面を見る。
画面には『左和季君』と表示されていて、思わず二度見した時には、もう完全に目が覚めていた。
「さ、左和季くん!?ごめん、私無意識で電話とっちゃって……」
『あぁ、分かってる。
そんなことより、今日暇か?』
「え、えーっと……たまの休みなんだから、のんびりしようと」
『女子高生がサラリーマンみたいな事言ってんな。
今から迎えいくから準備して待ってろ』
「んんん!?今から来るって……なんで!?いくらなんでも急すぎじゃ……」
『じゃあな』
「ちょっと左和季君聞いてるのって……切られた」