【完】狂犬は欲望中毒。
「よう」
「いや、"よう"じゃなくて……!
誘うの急すぎだよ……」
「いいじゃねーか。
小羽は別にすっぴんだろうが寝巻きだろうが可愛いだろ?絶対」
「……そ、そうかな?」
「チョロい」
「あー!やっぱり嘘なんだ!!ひどすぎる!!もう帰る」
「待て、冗談だろ。」
拗ねて部屋に戻ろうとする私の肩を掴む左和季君。
ていうか……
着崩されてるとはいえ休みなのに、なぜか制服姿の彼に一気に脱力感を覚える。
これって、デートなんじゃないの?
えっ、違うの??
休みの日に男の人が異性を誘うって……てっきりデートだと思ってた。
そうじゃないなら私も制服着てこればよかったかも。
なんだかんだ制服が一番まともな格好な気がする。
だってバイトと勉強漬けに追われる日々は、たまーに友達と遊びに行く時ぐらいしか、オシャレする事ないんだもん。