【完】狂犬は欲望中毒。
面倒な事になった。
蛇狼を潰そうと何かと絡んでくる暴走族や不良はたくさんいるが、その中でも特にしつこいのが瞑静だった。
なんたって瞑静は数が多いのが売りだからな。
まだ総長から瞑静をやっていいとは命令されていなかったが。
最近調子に乗りはじめた奴等の目に余る行動に、蛇狼として黙ってるわけにもいかず。
ひとりひとりを相手にするなら良いだろうと、勝手な判断で瞑静に攻め込んだ。
族ごと排除したとまではいかなかったが、瞑静の上に立っている奴等は全員潰したはずだ。
上の奴等がやられてるのを見たら、下っ端連中は萎縮し瞑静は自然に解散すると思っていたが。
無駄に多い人数が、功を成したとでも言うべきか。
残っていた瞑静の奴がひとり、小羽のマンション前でうろついていた俺に絡んできた。
所詮は下っ端だが、運悪く喧嘩に割り込んできた小羽の顔を敵に見られてしまった。
小羽が俺の名前を呼んだせいで、まったく無関係であることを否定できなくなっちまった。