【完】狂犬は欲望中毒。
「自分でしませんか?」
「……」
救急箱を差し出してみたけど、もちろん反応はないわけでして。
さっきよりも苦しそうに息があがってる。
……可哀想。
「痛い……よね」
ポツリと呟きながら、苦しそうな男の姿に罪悪感を覚える。
ええい……私!
助けたんだから最後まで面倒みなさいよ!
女の意地を今こそ見せるとき!
「けっしてそういう気持ちはありませんので手当てさせてください……失礼します」
もしかして起きてるかもしれないから、やましい気持ちはないととりあえず口に出しておこうと思う。
震える手でグッとシャツのボタンを外していく。
露になっていく胸板に、ドキンと心臓が跳ねた。
すると。
「なーに俺にエロいことしようとしてんだ?」
「ぎゃっ!?」