【完】狂犬は欲望中毒。
「機嫌直せよ。茶でも飲むか?」
「……飲む」
「ん」
テーブルに置いてあるペットボトルの蓋を開け、小羽に渡す。
ペットボトルに口をつけ、ゴクゴクと喉を潤している隙に、小羽が持ってる食べかけの無防備なパンを一口食べる。
「……おっ、結構旨いじゃん」
「~~っ!私の朝……お昼ごはん?勝手に食べるなんてひどい……」
「まあ俺が買ったし」
「それ言われると何も言えなくなるからやめて」
「間接キスだしな?」
「だから気まずくなることハッキリ言っちゃダメだってば!」
すぐ顔が赤くなる小羽は、やけくそに残ったパンを食べ始める。
ほんっと初だよな。
間接キスだけで顔赤くなるとか、こいつ今までどうやって生きてきたんだ。
キスしたら死ぬんじゃねーか?
死なせないように過激なことは控えてやるか。