【完】狂犬は欲望中毒。
黙って護らせればいいものを。
どっちにしろ選択肢は『はい』以外受け付けてないわけだ。
嫌でも勝手に護るし、抵抗なんかさせねーよ。
「てかさ……コンテナ出入りって、総長はなんて言ってるわけ?」
少しは頭が冷えた美喜矢が後ろから、ソファの背凭れに部分に肘を立て、俺と小羽の間に割って入る様に前のめりの体勢で聞いてくる。
「総長からは許可もらってる。
好き勝手しない条件突きつけたら許可下りた。」
「分かるか左和季よ。
女禁制のコンテナに、女を入れていい許可があっさりと下りるなんて……。
それだけお前が今まで好き勝手やってたってわけだ」
「どうでもいいけど松茂さん、はよ承諾してくれません?
俺、待てない性分なもんで」
「……まあ、お前が言うこと聞いてくれんなら。そんなの聞き入れるに決まってんだろ」
「美喜矢はどうだ?」
「総長がいいならいいんじゃない?
その女のことは気に入らないけど」