【完】狂犬は欲望中毒。
「……ハッ」
えっ、今鼻で笑われた?
ひどくない??こっちは真剣なのに。
「お前責任取ってほしいタイプ?」
「そー、そういうことを言ってるんじゃなくて!!」
「はぁー……つか、あったけーなお前。
まじ子供体温すぎ、癖なりそ」
するりと、私の頬を撫でてくる男。
だからさっきからスキンシップ激しすぎだってば!!
「寒いだろ、お前も俺の背中に手回せ」
「あの!私達初対面なんですけど!!」
「初対面で襲いかかったのはお前だろうが。
責任取れよ、好きだろそういうの」
「襲おうとしてないし、そういう責任の取り方はしません!」
グッと胸板を押して、ぴょんっと猫の様に身軽に男から離れると。
なぜか無意識に構えてしまった。
構えた手にしっとりとした水気を感じ、見ると少しだけ汗ばんだ様に濡れている。
視線をベッドに映すと、雨の中倒れていた男の制服も濡れている。
もちろん彼に触れていた私の制服も水分を吸っていた。