ねえ、気づいてよ……
「ねえ、涼音ちゃん、ずっと気になってたんだけど、涼音ちゃんって怜くんのこと好きだよね?」


「え?」


先輩に言われて、思わず聞き返してしまった。


「好きだよね?怜くんのこと」


答えなんて、1つに決まってる。


「大好きです。大事な、大好きな幼なじみです」


恋愛感情で、男の子として好きなんて言えなかった。


「それは、友達としてってこと?」


「......はい」


「ほんと?!良かったー、じゃあ、私の恋、応援してくれるよね?」


え......。


私の、恋......。


「怜のこと、好きなんですか......?」


「うん」


嘘だと、思いたかった。


聞き間違いだって、信じたかった。


「そう、ですか......」


「応援、してね?」


圧をかけるように言われた言葉が苦しかった。
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