ねえ、気づいてよ……
嬉しくなって笑うと、怜に抱き上げられる。


「えっ?」


「足、痛いんだろ?バレてんだよ」


「え、なんで、てか、降ろして......」


「痛いのに歩くなよ」


「痛くないもん」


「バカ」


痛いのはほんとだけど、この体勢、恥ずかし......。


「怜、歩けるから......」


「涼音、もうちょっと自分を大事にしろ」


こうなったら、怜は聞いてくれない。


「じゃあ、おんぶ、して?」


とにかく今の体制が恥ずかしくて仕方ない。


「わかった」


怜に甘えて、おんぶしてもらうと安心する。


「ねえ、ご褒美、何がいい?」


「あー、また今度に取っとく。涼音も足、そんなだし」


もう、ご褒美は決めてるみたい。


「れーい、明日、最期だね」
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