ねえ、気づいてよ……
ちゃんと、電車で酔いかけた。


幸い、きつくなってきたところが目的の駅だったから、ちょっと休んだら良くなった。


「ごめんね、いつも」


「ううん。わかってて電車に誘ってるんだから、むしろ、いつも無理させちゃってごめんね」


酔いやすい体質は、昔から。


お出かけもあんまりできないけど、行きたいって言う私に美奈がいつも付き合ってくれる。


「いつもありがとね」


「うん。涼音といるの、楽しいし」


嬉しくって、美奈に抱きついた。


雑貨屋さんで小物を見たり、2人でクレープ食べたり、アイス食べたり。


すごく楽しかった。


怜が、今日で最後っていうのを忘れちゃうくらい。


「あれ、怜先輩じゃない?」


「あっ、ほんとだ。れ......」


呼ぼうと、思った。
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