ねえ、気づいてよ……
「朝陽くん」


「あれ、亮平?」


「おお、美奈」


亮平くんは、美奈の彼氏。


朝陽くんと仲がいいのは、知らなかったけど。


中学校が一緒で、誰にでも優しい人。


思ってもみないところで会えたみたいで、美奈は嬉しそう。


「ねえ、2人にしてあげない?最近会ってないって、亮平嘆いてたし」


「そうなの?実は、美奈もなの」


「じゃあ、決まりだな。亮平!」


「美奈」


それぞれがそれぞれを呼ぶ。


「2人で、遊んでおいでよ。私たちのことは気にしないで」


「いいの?」


「うん。私も、朝陽くんとは話せるし」


「美奈、2人に、甘えさせてもらわない?」


亮平くんの押しの一手。


「うん、涼音、朝陽くん、ありがとう」


「サンキュ」


そう言って、2人は手を繋いで歩いていった。


「2人とも、嬉しそうだったね」
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