ねえ、気づいてよ……
「うん。よかった......」


怜が家を出る時間には、ギリギリ間に合うと思う。


電車に揺られること数分。


気持ち悪い......。


寄った、絶対に、間違いなく。


「涼音?顔色悪いけど......」


次の駅で降りるから、もうちょっとだけ頑張れ、私......。


「涼音!」


大きくもないけど、はっきりした声で呼ばれてハッとする。


「大丈夫か?」


「うん。よく、酔うから......」


「俺の方、もたれかかってていいから」


「ありがとう」


でも、そんなに甘える訳にも行かなくて、私は、何とか自分の足で立ってた。


気持ち悪くて、吐きそうだったけど、電車は目的の駅に着いた。


一安心して、電車からおりると足元がふらついた。


「涼音、1回休んでから行こ」
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