ねえ、気づいてよ……
私も歩ける気がしなくて、近くのベンチに座った。


「水、飲める?」


朝陽くんが買ってきてくれた水をありがたく貰う。


「うん。ありがとう。......あっ、いくら?」


「いいよ。大した額じゃねーし」


「ありがと」


ペットボトルの水を飲むと、やっと一息つけた。


「酔いやすい?」


「うん。昔から、電車とか苦手で......。でも、電車でどこか行きたいから、結構乗るんだけど慣れなくて」


「そっか。ま、俺が一緒でよかった」


「うん」


1人だったら、不安でしょうがなかったと思う。


「あっ!今何時?」


「えーと、5時50分」


10分で家は、無理かな。


ガッカリすると同時に安心してる自分に驚いた。


「なんか、用事?」


「んー、もういいや」
< 120 / 272 >

この作品をシェア

pagetop