ねえ、気づいてよ……
怜にあったところで、さっきのこと思い出して嫌なこと言っちゃいそうだし。


「じゃー、ゆっくり帰ろ」


「うん」


2人で、色んな話をしながら、歩いた。


部活のこと、怜のこと、恋愛のこと、これからのこと。


太陽みたいになんでも笑って受け入れてくれる朝陽くんに、珍しく心を許していた。


「ねえ、いつ、勉強教えてくれる?」


「うーん......」


夏休み中の部活のない日に決まった。


「朝陽くん、彼女さんとかいない?」


「いるよ」


「え?彼女さん、怒らない?」


「嘘」


「へっ?」


「いないよ、彼女なんて」


いるやつ羨ましいよなー、なんて笑ってる。


なんのために嘘を。


「あ、家ここ」


「そっか。じゃあなー」


「ありがと、ばいばーい」
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