ねえ、気づいてよ……
「怜には、関係ないでしょ......」


言ってしまった。


後悔と自分への嫌悪感でどうにかなりそう。


「ごめっ......」


「そうだよな。俺にはかんけーねーよな。......どうせただの幼なじみだし」


「......っ」


ただの幼なじみ。


その言葉が、こんなにも重たい。


「悪い、俺、用事あるから」


唇をかみ締めながら、怜は私の前を去った。


「怜......」


落ち込みながらも、行くしかないから朝陽くんの元へと向かった。


「はぁ......」


着いたら朝陽くんは、遅れるって連絡が入ってて、待ってることになった。


怜なら、絶対に、遅れるなんてないのにな。


こんな時まで怜のこと、考えてる。


あんな会話しても、諦めきれない自分の性格がちょっとだけ、嫌になる。
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