ねえ、気づいてよ……
「涼音って、怜くんのこと好きでしょ?」


休憩がてら、図書館に隣接してるカフェで話す。


「......なんで?」


暗い顔、しちゃったかな。


「見てたら、二人の間にある空気感って、誰も入れないんだ。なんでかって考えた時に、きっとお互い好き同士だからだろうって」


それは、違うよ。


幼なじみだから、ずっと一緒だから、他人よりちょっとだけ、一緒の時間が長いから。


「怜は、私の事好きじゃない」


「は?何言ってるの。そんなわけないじゃん」


「なんでよ」


半ば投げやりになりながら言った。


「だって、怜くん涼音のことしか見てないし。涼音以外の女子に興味なしって感じじゃん」


「怜は......彼女さん、いたもん」


「え、はっ?そんなわけ......」
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