ねえ、気づいてよ……
そんなことを打ち明けられてから、2週間。


愛先輩は、遠慮が無くなったように怜にアタックをしている。



いや、堂々と怜にベタベタしてる。


「怜くん! お疲れ様」


部活終わり、それぞれが帰る準備をしてる時についに怜の我慢の限界がやってきた。


「なあ、俺だけに構う暇あったら、他の奴ら見てくんね?」


あ、怜、怒ってる。


怒気を感じさせない声と表情は、昔から怜の得意分野。


感情を読み取らせない能力かな。


気づいたのはきっと、私と拓馬先輩くらい。


長年一緒の人じゃないと絶位に気づかない。


「でも、怜くん言わないとなんにも頼ってくれないじゃない......。去年だって、怪我しても誰にも言わないでいて......」


去年......。


その言葉に胸がぎゅっとなった。
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